春遠く南アルプスの峰々にいまだ白雪[しらゆき]が残る中、ここ八代[やつしろ]の里は、しだれ桜のピンク色に[いろど]られ、一年で最も美しい季節を迎えます。

夏梅雨明けを待っていたかのように色鮮やかな花々が境内を[いろど]ります。ある夏の日、ふと蓮の葉に目を落とすと、そこには一頭の蜻蛉[とんぼ]。なんとも微笑[ほほえ]ましい光景です。

秋小春日和[こはるびより]の晴れた日に、ふと南アルプスを仰ぎ見れば稜線は真っ白。八代の里も日に日に、赤、黄の葉が数を増し、季節の移ろいを感じさせます。