参拝者を宿泊させる寺院の事を「宿坊」あるいは「宿院」と申します。元々は、修行中の僧侶が寝泊まりする建物を言い、古くは「僧坊」共呼ばれておりました。 かく言う当院も宿坊の一つでして、日蓮宗総本山・身延山久遠寺(くおんじ)の塔頭(たっちゅう)寺院として、ご参拝にお越しの皆様をお泊めしております。 (各写真をクリックすると、大きな写真をご覧頂けます)
客室は当然の事ながら全て和室。畳の感触、障子を通し差し込む仄(ほの)かな光、落ち着いた雰囲気を醸(かも)す襖(ふすま)。宿坊ならではの趣(おもむき)をご堪能頂けます。 又、北側に面した客室よりご覧頂ける夢窓国師作の日本庭園・心地池は、身延町の文化財に指定されております。 更に、その昔、当院が久遠寺よりの来賓の方々をお泊めしていた事に由来し、2階客室には「上段の間」が設けられてございます。
広く開放的な窓が特徴の浴室は、夢窓国師作の日本庭園に隣接。湯船に浸かりながら、ゆっくりと庭園をご覧頂けます。更に「ぶどう王国」山梨にちなんで、湯船に入っているのはワイン入浴剤。体を芯の芯から温(あたた)め、旅の疲れから解放してくれます。 又、1階廊下沿いには、足元に段差の無いウォシュレット完備の洋式トイレを3室ご用意。お年を召した方、お体の不自由な方にも、安心してお使い頂けます。
宿坊での楽しみの一つに「精進(しょうじん)料理」がございます。これは、僧侶に課せられた「五戒」(生き物を殺さない・他人の物を盗まない・自分の妻あるいは夫以外の者と交わらない・嘘をつかない・酒を飲まないの五つの戒律)や、肉食を禁じる大乗仏教の教えから生まれたもので、野菜や豆類、穀類を工夫して調理したベジタリアン料理です。 近年では、そのヘルシーさから女性を中心に人気があり、当院でも身延町名産の湯葉(ゆば)をふんだんに使った「湯葉御膳」が名物となっております。
毎年3月下旬から4月中旬にかけ、「全国しだれ桜十選」にも選ばれている樹齢400年を超える久遠寺境内のしだれ桜を中心に、身延山を淡いピンク色に染める桜、さくら、サクラ。身延山が一年で最も華やぐこの季節は全国から多くの方が訪れます。日帰りでご覧になるのも結構ですが、折角わざわざ身延山まで足を運ばれるのですから、人も疎(まば)らな早朝の境内や、ライトアップされる夜桜も是非ご覧頂きたいものです。 春は「湯葉御膳」も身延山の桜をイメージした特別メニューをご用意致しますので、ご宿泊かたがた是非ご賞味下さい。
毎年10月11日から13日までの3日間、日蓮大聖人の御命日に合わせて、身延山では「御会式(おえしき)」と呼ばれる盛大な法要が営まれます。とりわけ、12日に行われる万燈(まんどう)行列には、全国から多くの「万燈講」と呼ばれる講中が参集。16時に総門を出発した講中は、久遠寺本堂までの参道を、太鼓に鉦(かね)と笛、花や灯明(とうみょう)に彩られた万燈、お囃子(はやし)に合わせた纏(まとい)の乱舞と共に練り歩きます。 深夜まで続く身延山の一年で最大の行事。その万燈行列を、是非、当院にお泊まりになられた上で心置きなくご覧下さい。
当院では、ご宿泊だけでなく、お食事のみのご予約も承っております。どうぞ、お気軽にご利用下さい。
料 金 ご昼食(お食事のみ) 3,000円〜 ご夕食(お食事のみ) 5,000円〜 ご宿泊(1泊2食付) 8,000円〜 収容人員 150名 客 室 20室 駐 車 場 あり